大阪市旭区清水 千林駅の内科 足立内科クリニック

〒535-0021 大阪府大阪市旭区清水3-1-14 柴眼科ビル3F
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再生医療

まずはエビデンスのお話をさせてください

近年、ビジネスや医療の現場で頻繁に使われるようになった言葉に「エビデンス」があります。ある主張や判断を裏付けるための根拠や証拠のことです。感覚や経験だけではなく、科学的・統計的な根拠に基づいて行動することが求められる、今、この言葉の重要性はますます高まっています。

「エビデンス」とは、なんでしょう?

医療の世界で「エビデンス(evidence)」とは、ある主張や判断を裏付けるための根拠や証拠のことです。科学的根拠や実際の臨床データに基づいた事実や証拠を指します。つまり、治療の効果や安全性について確かな証拠があることを示します。私たちは、信頼できるエビデンスに基づいて、患者さまに最適な治療を提供することを最も重視しています。最新の研究や臨床試験から得られた証拠は、私たちの治療法の安全性と有効性を裏付ける重要な指標です。

足立先生が発表した論文を紹介させてください

足立昌司先生はエビデンスのある論文を発表されています。Nature、Nature Medicine、Nature Genetic、Proc.Nati.Acad.Sci.USなどの世界の一流雑誌。Journal of Immunology、European Journal of Immunology などの免疫系の論文雑誌。Cancer、Cancer Research、Genes and Development、がんに関する論文、症例報告を複数の雑誌で受理されています。エビデンスに基づいた論文は、専門家に審査されて受理されてから雑誌に載ります。先生はエビデンスについてよく承知されておられ、その先生が、がんに対する治療法として有望視しているのがNKT細胞標的治療です。

足立医師の論文はこちら

NKT細胞標的治療のエビデンスとはなんでしょう?

厚生労働省先進医療B※で臨床試験が実施
NKT細胞標的治療は非小細胞肺がんと頭頸部がんを対象とした国立大学(千葉大学)での臨床試験の実績がある免疫細胞を利用した治療法です。国が定めた法律に則り、国の認定委員会を経て担当の厚生局により治療が認められています。

※先進医療Bとは:
厚生労働省が定める「先進医療B」とは、公的医療保険の対象外である高度な医療技術のうち、特に安全性や有効性の評価が必要なものを指します。これは、将来的に保険適用を目指すための評価段階にある医療技術です。保険診療と併用可能ですが、先進医療部分の費用は全額自己負担です。実施医療機関は限られており、定期的な報告と評価が義務付けられています。

進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する
NKT細胞標的治療の生存期間(OS)

進行性肺がんに対するNKT細胞標的治療

○進行性肺がん患者17人に対して外来で実施
○初回治療のみで、長期生存
○IFNγ産生細胞が多い10人(60%)の患者:生存期間中央値29.3ヶ月


平均生存期間(月)

※本図は、千葉大学における第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験に関する総説論文掲載図を内容を変更せず再描画したものです。本図は治療効果の確証を示すものではなく、探索的臨床試験の研究成績を要約しています。
詳細は原文献をご参照ください。
出典:谷口 克.NKT細胞標的治療 ―
NKT cell-targeted anti-cancer immunotherapy based on a novel concept.
臨床外科 68(8):908–914,2013. 図4(進行肺がん症例 OS)より再描画
参考文献(一次報告):Motohashi S et al. J Immunol. 2009;182:2492–2501.

NKT細胞標的治療に関しご説明致します
(ナチュラルキラーT細胞標的治療)

独立開発研究法人「理化学研究所」が進めてきたNKT細胞に関する研究をベースとして、「理研免疫再生医学」が独自に開発した自家免疫細胞によるがん治療技術です。

末梢血や肺・肝臓組織などに多く分布する免疫細胞「NKT細胞」を体内で活性化させ、がん細胞に対抗します。活性化したNKT細胞は、非常に強い抗腫瘍活性を示し、体内の免疫環境をがんに都合の良い状態から免疫優位な環境に改善させる働きをしながら、自らもがん細胞を攻撃。また、IFN-γをはじめとした大量のサイトカイン産生によって腫瘍と戦う他の免疫細胞を統括的に制御します。さらに長期免疫記憶を獲得することで、持続的ながん細胞への攻撃を可能にするのも特徴です。

RIKEN-NKT®は、ほぼすべてのがん種・部位・ステージに適応し、自家免疫細胞を使い、自然な免疫反応を誘導するため重篤な副作用はありません。3大治療(標準治療)と並行して行うこともできます(一部注意が必要なケースもあり)。

理研免疫再生医学が化学合成法を開発し、GMP基準準拠で製造した「必須リガンド(αガラクトシルセラミド)」は、理研免疫再生医学が独占製造供給権を保有しています。

【当院におけるNKT細胞標的治療について】
本治療の再生医療等提供計画は、法律に基づき、以下の認定再生医療等委員会での審査を経た後、厚生労働大臣に提出しています。
【日本薬事法務学会再生医療等委員会】
認定番号:NB3140007

従来の免疫療法との違いをご説明致します

従来の免疫療法は、NK細胞やT細胞といった免疫細胞を体外に取り出して拡大培養し、数を増やして体内へ戻すという方法で行われます。しかし、単純に免疫細胞の数を増やして体内へ戻したとしても、がんが作り出した免疫の環境は改善されず、また増やした細胞も7日間程度しか存在できずに死んでしまうので、効果は限定的でした。

RIKEN-NKT®では、NKT細胞を体外に取り出して増やすのではなく、体内にあるNKT細胞を非常に強いレベルで活性化します。動物を使った実験では体内で活性化したNKT細胞は9ヶ月以上という長い期間に渡り免疫記憶を保持し続けるようになります。

※NKTポートより引用

NKTポートはこちら

がん免疫治療の世代分類

がん免疫療法は、この数十年で飛躍的な進歩を遂げ、治療の仕組みやアプローチの違いによっていくつかの「世代」に分類されるようになりました。

この世代分類を理解することで、現在の治療がどこに位置づけられ、どのように進化してきたのかをより明確に把握できます。

第0世代 非特異刺激・強さ(非細胞) 1890s–1980s

仕組み 炎症刺激やサイトカイン投与により、免疫系全体を広く活性化し、免疫反応全体を増強する。
代表例 BCG、インターロイキン2、インターフェロンα
特 徴 免疫を「強くする」ことを中心とした初期概念であり、攻撃対象や免疫の方向性は制御できなかった。全身炎症や毒性が大きな課題であった。

第1世代 自然免疫・素早さ(NK) 1975–現在(主流期:1985–1995) 

仕組み NK細胞を体外で活性化・増幅し再投与。腫瘍抗原発現の低下やストレス分子を認識して抗原非依存的に腫瘍細胞を殺傷する。
代表例 LAK療法、NK細胞療法
特 徴 抗原消失腫瘍にも反応できる利点があるが、腫瘍による免疫抑制機構の影響を受けやすく、効果の持続性が課題である。

第2世代  獲得免疫・特異性
A. T細胞増幅 1988-現在(主流期: 1990s)

仕組み 末梢血T細胞を非特異的刺激で増幅し再投与。抗原特異性の選別は行わない。
代表例 αβT細胞療法
特 徴 体内に存在する抗原特異的T細胞も含まれるが選択的ではなく、腫瘍側の抗原提示低下や免疫抑制の影響を受けやすい。効果の持続性が課題である。

B. 腫瘍特異的T細胞増幅 1988-現在(主流期: 1990s)

仕組み 腫瘍組織から浸潤T細胞を回収し、増幅後に再投与。既に腫瘍抗原を認識しているT細胞群を利用。
代表例 TIL療法
特 徴 高い抗原特異性が期待できるが、腫瘍摘出・長期培養・前処置リンパ球除去など臨床負担が大きい。適応可能な症例は限定される。

C. 樹状細胞(DC)増幅 1995-現在(主流期: 1995-2005)

仕組み 単球由来樹状細胞を体外で成熟させ、腫瘍抗原を付加して再投与。T細胞への抗原提示を強化する。
代表例 がんペプチドワクチン、樹状細胞ワクチン療法
特 徴 抗原提示の精度は向上したが、IL-12産生の不十分さや腫瘍微小環境の抑制因子により、強力な持続応答につながりにくい場合がある。

D. 抗原設計(ネオアンチゲン) 1995-現在(主流期: 2015-)

仕組み 腫瘍の遺伝子変異を解析し、提示され得る変異ペプチドを予測してワクチン化。患者個別に抗原を設計する。
代表例 ネオアンチゲンmRNAワクチン
特 徴 理論上高い特異性を持つが、抗原予測精度、提示成立性、製造時間およびコストが課題である。

第3世代 抑制解除(ICI) 1996–現在(2010年代に臨床的転換点)

仕組み T細胞上の負の制御受容体(CTLA-4、PD-1など)を遮断し、既存の抗腫瘍T細胞応答を回復・増強させる。
代表例 イピリムマブ、ニボルマブ
特 徴 既に腫瘍特異的T細胞が存在する症例では高い効果が見られるが、免疫が十分に誘導されていない腫瘍では効果が限定的。自己免疫関連有害事象が課題。

第4世代 免疫方向性の再構築(NKT)1997–現在(発展中)

仕組み CD1d拘束性NKT細胞を活性化し、多種大量のIFN-γなどのサイトカインを産生させることでDC・NK・CD8T細胞を同時に駆動。免疫応答の上流カスケードを制御する。Th1方向への免疫極性を誘導し得るとともに、複数の免疫細胞を同時に活性化する設計思想である。
代表例 NKT細胞標的治療、 ★iPS-NKT
特 徴 単一抗原ではなく免疫の極性を制御する点が特徴で、複数のエフェクター系に同時作用し得る。抗原消失に依存しない。

★iPS-NKT細胞:千葉大学と理化学研究所が行っているNKT細胞標的治療をさらに進化させた研究です。がんに対して強い攻撃力を持つ免疫細胞「NKT細胞」として、iPS細胞から作製したiPS-NKT細胞を使用します。2025年12月30日に『Nature Communications誌』へ掲載されました。

詳しくはこちら

第5世代 人工受容体設計(CAR-T) 2012–現在(血液腫瘍で主流)

仕組み T細胞に人工受容体を導入し、抗原提示分子非依存的に特定抗原を直接認識・殺傷させる。
代表例 CAR-T、CAR-NK
特 徴 標的が明確であれば高い効果を示すが、抗原喪失や腫瘍微小環境の影響、サイトカイン放出症候群などの特有毒性が課題。固形腫瘍では浸潤・持続性に制約がある

なお、現在は、これらの概念を組み合わせる統合的戦略が模索されている。

体内にある“免疫のリーダー”
NKT細胞標的治療はNKT細胞を活性化して、がん細胞を攻撃する治療法です

「NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)」を人工的に活性化し、強い抗腫瘍免疫活性を生じさせてがん細胞と戦う治療法です。NKT細胞は、敵(がん)の特徴を認識し、総攻撃することも、長期にわたって記憶することも可能。ほかの免疫細胞が分業している仕事を、自身で行いつつ、ほかの免疫細胞に指示を出せるという、免疫のリーダー的役割を果たしています。

NKT細胞標的治療の特徴は以下となります

  • 全ステージ、ほとんどの種類の腫瘍を対象
  • 標準治療との併用が可能です
  • 自身の血液を使用するため、副作用はほとんどありません
  • 手術標本を必要としません
  • 1コース4回の治療で終了します
  • 厚生労働省先進医療Bでの臨床試験が実施されたNKT細胞標的治療の技術を基礎に開発されています

NKT細胞標的治療の流れをご説明致します

  • お問合せ
    • まずお電話にてご相談ください。
    • 電話でお答えできることには限りがあります。詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。
    • 06-6958-5150
  • 初回カウンセリング(事前相談)
    • 医師により患者様の疾患や経過、治療状況など様々なデータを踏まえた上で事前に現状についてお尋ねさせていただきます。
    • RIKEN-NKT®に関してのご説明、費用やリスクなど必要な事項に関しご説明させていただきます。
    • ご理解・ご納得頂いた上で検査を望まれる患者様には、治療同意書にご署名を頂きます。
  • 血液・感染症検査
    • 患者様の体がこれからの治療に問題がない事を調べるために血液検査を行います。
  • 検査結果
    • 検査結果に問題がなければ血液から特定の成分だけを採血する成分採血のご説明とご予約の案内をさせて頂きます。
    • 細胞培養センターは、外界から遮断された厳格な無菌環境で培養・加工・管理するための専門施設で、厚生労働省の認可を受け、再生医療等安全性確保法に基づいて運用されています。
  • 成分採血(アフェレーシス)
    • 実際の治療の準備は成分採血からはじまります。成分採血は患者様の血液から特定の成分だけを分離・採取する成分採血装置を使用致します。血液を大腿や腕などの太い血管に刺入したカテーテルを通して連結した成分採血装置に引き、必要な成分のみを採取し残りを再び体内に戻します。
    • 当院では大阪府内の2クリニックに成分採血を依頼しております。
  • 細胞培養

    成分採血をした血液は専門の輸送会社により細胞培養センターに低温輸送されます。細胞培養センターでは、搬入された血液から必要な細胞をさらに分離し、分化・誘導・培養を通じてNKT細胞を活性化する特殊な細胞を作り出します。プロセスが終了した目的細胞は必要な安全性基準を満たしていることが確認された上で、保存用容器に分注、極低温で冷凍された上で、再び専門の輸送会社により医療機関に極低温輸送されます。医療機関ではー80℃以下の環境下で細胞を保存します。

  • NKT標的治療薬の投与
    • 目的細胞は皮下注射にて患者様の体内に戻されます。他の免疫細胞療法では有効量を注入するためには点滴が一般的でした。しかし技術革新により必要量をごく少量に凝縮することが可能になったため皮下注射での投与が実現しました。投与に必要な時間は約5分程度です。通常投与回数は4回となりますが投与時期や次回投与までの期間は患者様の体調に合わせ調整させて頂きます。数回に分けて投与することで免疫活性のブーストアップを狙います。
  1. ① お問い合わせ:当院(06-6958-5150)へ
  2. ② 当院にて事前相談 → 治療前血液検査 → 治療申込み(同意書提出) 
  3. ③ 成分採血(連携医療機関にて) → 血液培養(約2週間)
  4. ④ 治療開始(点滴治療・原則2週間ごとに4回施行)

*治療の申込みから、治療開始まで3週間~4週間ほどかかります。

RIKEN‐NKT®によくあるQ&A

Q:RIKEN-NKT®に保険はききますか?

A:RIKEN-NKT®は、保険外診療となり、全額実費ご負担になります。また、がん保険の先進医療特約もご利用になれません。
NKT細胞標的治療は、以前には厚生労働省先進医療Bで臨床試験が実施されています。今後の保険診療化に期待がかかりますが、日本における先端医療の高額さは、かねてより疑問視され続けるも、いまだ改善されておりません。
本当にその治療を必要としている患者さん・そのご家族が費用の心配なく、治療が受けられる日がくることを願っています。

Q:RIKEN-NKT®の費用はいくらかかりますか?

A:お電話にてお問合せください。

Q:RIKEN-NKT®に副作用はありますか?

A:2026年2月時点で、RIKEN-NKT®の症例はおよそ1200ですが、現在重篤な副作用の報告はありません。
人によっては、発熱やそれにともなう倦怠感が見られます。
副作用の少なさは、ご自身の細胞をつかう事と、この治療が免疫細胞群の自然な免疫応答の機序をそのまま用いていることによるものです。

Q:RIKEN-NKT®は、どのがんで受けられますか?

A:どのがんでも受けられますが、一部の血液のがんは対象外です。

Q:RIKEN-NKT®に年齢制限はありますか?

A:当院では20歳以上の方を対象とさせて頂いております。上限はありません。

※理研免疫再生医学は、RIKEN-NKT®技術において、細胞培養技術にかかる国際特許とNKT細胞を活性化する際に不可欠なGMP製造の必須化合物の独占権を保有しており、提携医療機関以外にはこれらを提供していません。
※RIKEN-NKT®の旧称「RIKNKT®」と「NKT®」は理研免疫再生医学の登録商標です。